Booties (2005) FRP、檜、キュービックプリンティング(R)*(水圧転写印刷) *「キュービックプリンティング」は株式会社キュービックの登録商標です。 |
視覚によってイメージをキャプチャーすることが、狩りをして獲物を食すことに似ているように思える。光景を写真に残そうとすることは、そしてそれを携帯することは、所有によって自身をエンパワードしようとすることなのだろう。 フルカラーの写真画像を立体物の表面に付着させる、水圧転写という印刷技術が開発されたとき、その技術は主に装飾に利用された。装飾とは、例えば、身体装飾が自身をエンパワードするために利用されているように、ものの価値をその素材そのもの以上に高めるために行う。 立体物に対して、平面画像で行われているのと同じような、コピー&ペースト・拡大縮小を行うことを考えた。写真が所有の欲求を満たすというのなら、立体物のコピー技術は、もっと強く欲望を満たしているのかも知れない。また、写真が絵画の権威を失墜させたというのなら、立体物のコピー技術も何かを変容させるのかも知れない。そして平面と立体のコピー&ペーストを複合して行えば、「実物」のもつ愚直さが、少しでも軽やかになるのかも知れない。
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装飾意匠としてのライオンとヤギを、コピー&ペーストして融合する。剥製を模して獲物として掲げられたそれらの表面には、キャプチャーされた画像としての印刷を与える。ライオンとヤギの捕食対象として「動物」と「植物」の柄、そしてエンパワードメントとしてのファイヤーフレームパターン。 立ち現れたそれらの姿は、3DCGさながらのものとなった。画面から飛び出したようなその立体を、視線というハンターの前にさらす。それらは、イメージという獲物となって、さらにまた見る者に食させれる。 |